キャンピングカーショーなどで時折、聞こえてくる言葉がある。
「こんな高い買い物、一生に一度!」
「生涯最大の買い物、これが最初で最後!」
そりゃそうだ。「失敗しても気にならない」金額だとは到底言えない。
だが、それほど悲壮な決意をもたないと臨めない話なのか?というと、
「もう少し柔軟に考えた方が失敗しないよ?」と言いたいのだ。
■人生の変化に合わせて乗り換えるという考え方
5歳の子どもなら、5年の歳月は人生丸ごとである。
だが、数十年生きてきた大人にとっては、5年は人生の一部に過ぎない。
振り返ってみるとわかるが、人間は人生の折々で、変わっていくものだ。
子どもの頃キライだったものが食べられるようになった、なんていう小さな話はもちろん、価値観が変わった・人生観が変わった・趣味が変わった…など、ごく当たり前のことではないか。
あまり先のことまで心配し過ぎて、機能や装備に気を回し過ぎると
『今の楽しみ』に合わない車を選んでしまうこともある。
「今」が楽しめないと、せっかく買ったのに活用の機会が減ることにもなりかねない。
実際、
・キャンピングカーに乗り始めたら、新しい趣味(スキー、スノボなど)に出会った
→雪山でも安心して走れる4WDに乗り換えた
・旅行好きだからペットを諦めていたが、キャンピングカーなら連れて行けるので大型犬を飼い始めた
→大型のケージを固定できるスペースと、外部シャワーで汚れを落とせるタイプの車に乗り換えた
という人もいるのだ。
■情報がすべてのカギ
「お金持ちならそれもいいでしょうけど…」
そう、思われるだろうか?
だが幸いにして、キャンピングカー人気はまだまだ堅調だ。
きれいに使われ、しかるべき手入れがされた「程度のいい中古車」は驚くほど値崩れしない。
それを理解している人ほど、遊び方や人生のプロフィールの変化に柔軟に対応して、次々と乗り換えている。
新車を注文しても年単位で待たねばならない昨今、中古車は大人気なのだ。
だから乗り慣れた人ほど、常に「次」を探している。
下手に手放してしまうと、次がなかなか入手できない。だから、どこにどんな出物があるか、懇意のビルダーやディーラーと情報交換して、自分が欲しいスペックを伝えておく。出物があれば、即連絡をくれるようにしておくのである。
キャンピングカーと買ったら、しっかり使う。よく遊ぶ。
自分の使い方に合っているか・次にほしい機能があるとしたら何か。
安い買い物ではないからこそ、遊びにも真剣に向き合う。
それが「買い物に失敗しない」究極の対策といえるだろう。
■まず何から始めるか
そうはいっても、慣れない人にはハードルの高すぎる話であろう。
それは重々承知している。
数百万単位の買い物を、そうホイホイと右から左にはできまい。
いや、これを書いている私だってそうだ。
ならばどうするか。
今あなたが、キャンピングカーを持っているのなら、
・まずはとことん、使い倒そう。いろんな遊び方をしてみて、使い勝手を確認しよう
・自分に合っているところ・合わないところを考えてみよう
・愛車をきちんと手入れしよう。自動車としてのメンテナンスはもちろん、住居部分(冷暖房や水回りも含めて)も念入りに
・改造や改修を考えるなら、慎重に!できればDIYは避けて、プロの手を借りよう。手放すとき、価格が下がる要因になりうることを念頭に。
今あなたが、キャンピングカー購入に迷っているなら
・あらゆるタイプの車をレンタルして使い比べてみよう
・キャンピングカーを持っている友達を増やそう(SNSなどにはいくらでも愛好家のグループがある)
・自分はテントキャンプやバンガロー泊でも、キャンピングカーを持つ人と一緒に旅をしてみよう(相談してみよう)
・キャンピングカーショーや雑誌、拙ブログなどで情報を集めよう
アドバイスできるとしたら、こんなところだろうか。
個人的なつながりを通して、相談を受けることも多い。
ディーラーやビルダーにつないで、購入のお手伝いするケースも少なくないが、
どんなケースであれ、しっかり考え・調べ・自分で行動した人ほど、よい買い物をしているように思うのだ。