キャンピングカーを使うメリット~最強タイパ

昨今「コスパ」という言葉は、ごく当たり前に使われるようになった。
説明するまでもないが『コストパフォーマンス』の略語である。
そして最近目にするようになったのが「タイパ」という言葉。
何のことかと思えば『タイムパフォーマンス』の略なんだとか。
昔からよく使われている『時短』じゃ、ダメなんだろか?

「何が言いたいんだ?」

そういわれそうだが、相変わらずキャンピングカーの話である。

キャンピングカーを使うメリットは、まさにこの『タイパ』にあるのでは?と思う。

 家族で一泊の温泉旅行を計画するとしよう。
ツアーに申し込むのか、自由旅行を計画するか。いずれにしても、まずは下調べから始めるだろう。そこで大きなポイントとなるのがスケジュールだ。

何時の列車にするのか。車なら、何時に出て、どのルートを通るのか。
どこで何をして、何を食べて、何時に宿に入るのか。
電車やバスの時間に宿のチェックイン・アウト。旅というものは、なにかと時間にしばられる。

渋滞を避けて早めに帰路についたり、いっそ遅い時間までずらして夜中に帰ってきたり。さまざまに工夫して、なんとか我が家に帰りつく。
いつものリビングにどっかり座って、一言。

「はー。やっぱり家が一番だね」

落語のような話だが、実際そうだろう。私だってそうだ。
景色はきれいだったし、温泉は気持ちよかった。お料理も上げ膳・据え膳だった。
それでも、我が家が一番落ち着くのは誰でも一緒だ。

それでも、時間に追いまくられる旅と、自分のペースで愉しむ旅。
どちらが「心地よい疲れ」になるだろう。
少なくともキャンピングカーの旅なら、時間的制約が少ない上に、その制約に「振り回されない」だけ「タイパがいい」と思うのだ。

キャンピングカーを使うようになってまず感じたのが、
「時間が自由に使えるって素晴らしい!」だった。
なにしろすべて、自分たちの都合で決めてよいのだ。
カミさんの旅支度がどんなに長くかかっても(それほど)イライラしない。
夫婦喧嘩にも発展しない。ケンカしながらの道中は地獄だから、これはありがたい。
時間の使い方をちょっと工夫するだけで、遊ぶ時間もよりたくさん取れるようになった。
例えばこんな具合だ。

金曜日の夜。
仕事を早々に切り上げて旅支度をし、その夜のうちに出発してしまう。
仕事疲れは多少あるが、ここはちょっとがんばって。週末の晩酌もおあずけである。

そしてとにかく、目的地目指して「行けるところまで行く」。
眠気がさしてきたら、高速道路のSAかPAに、一般道なら道の駅に車をとめて、
寝てしまおう。
何しろ後ろにはベッドがある。
リクライニングシートをどんなに倒したところで、のびのびと手足を伸ばして寝られる快適さには及ばない。

数時間仮眠をとって、目覚めると土曜日の朝である。すでに都心から行楽地への渋滞は始まっているが、昨夜走った分、自分はすでに目的地に近づいている。渋滞ははるか後方である。

最近のSAや道の駅は非常に充実していて、地元農産物の直売場があったり、朝からご当地グルメが味わえるレストランがあったり。シャワー設備のあるところもあるので、出発前にさっぱりするのもいい。

カミさんが会社勤めをしていたころは、都心までキャンピングカーで迎えに行ったこともある。
残業を無理に切り上げさせることもなく、好きなだけ仕事してもらって私は車で待機。
彼女は会社近くの銭湯でメイクを落とし、ラフな服に着替える。濡れた髪をタオルで包み、ホカホカとせっけんの香りをさせながら、華やかな金曜夜の青山をスッピンで歩く姿に大笑いしたものだ。

 帰りも同様である。
日曜日の午後は、上り線が渋滞するのは当たり前。交通情報とにらめっこしながら、
「こりゃダメだ」と思ったら、早々にSAやPAに退避して、渋滞解消まで寝てしまう。
カミさんが月曜から地方出張、というときは荷物もスーツも全部持って行って、早朝の羽田空港でリリースしたこともある。

 常日ごろ、時間に追い立てられている人こそ、リフレッシュは重要だ。
貴重な余暇を最大限遊びつくすなら、とことん、自分の都合で計画が立てられるキャンピングカーがうってつけである。
新幹線の止まらない駅にも、面白い場所はたくさんある。
ブランド野菜やブランド魚でなくても、おいしいものはたくさんある。

時間があるときは遠くまで。
時間がないときはごく近距離でも。
行ったことのない場所を訪ねてみるだけで十分、「旅」なのである。

関連記事

TOP